「自立的に行動し、挑戦し、やり抜く社員」を育成するために【人事総務部長×人事グループリーダー対談】
ポッカサッポロでは、2022年4月に理念体系を一新。“私たちの使命”として「人と社会と向き合い、未来の食のあたりまえを創造する」を、そして“私たちのありたい姿”として「レモンをはじめ植物性素材を中心に『おいしい以上の価値』を届け、『あなたの毎日に寄り添えるパートナー』になる」を掲げています。
そして、その理念を実現するために、従来から人事ポリシーとして掲げている「自立し挑戦し続ける人財が、働きがいを感じる会社」の重要性を再確認しました。
人事ポリシーにしたがって、ポッカサッポロが今どのような人財を望んでいるのか、また人財育成のためにどのような取り組みを行っているのか、人事総務部長・嶋津さんと人事グループリーダー・中村さんに話をききました。
新理念を実現するための「人事ポリシー」
――2022年4月、ポッカサッポロは理念体系を一新しました。どのような背景から理念体系が見直されたのでしょうか。
嶋津:社会やお客様の暮らしが大きく様変わりし、サステナビリティ意識の高まりや、コロナ禍の影響で価値観が大きく変化しています。そんな中でも、ポッカサッポロが社会から必要とされ、価値を届け続ける企業であるために、理念を見直そうと考えたのが経緯です。
中村:新たな理念では主語が「私たち」。この理念は会社が作り、社員に求めるものではなく、社員一人ひとり「私たちがこうしていくんだ」という方向性を示したものになっています。
――新たな理念がスタートして半年以上が経ちました。その中で何か変化は見られますか。
中村:そうですね。社員が理念を自分ごと化できるように、さまざまな施策をスタートしています。その一つが「推進リーダー」です。各部署で推進リーダーという代表を決めて、推進リーダーが中心となって会社の未来について語り合う座談会などを開いています。
社員同士で会社のことを語り合うと、結構盛り上がるんです。普段、淡々と仕事をこなしている方が、「こういう会社にしていきたい!」と熱く会社の未来を語ってくれていたりとか。社員のこういう姿を見ているとうれしいですし、良い変化だなと感じます。
――理念を踏まえた上で、ポッカサッポロの人事ポリシーについても教えてください。
嶋津:人事ポリシーで「自立し挑戦し続ける人財が、働きがいを感じる会社」を掲げており、「自立的に行動し、挑戦し、やり抜く社員」の育成と成長を促進する取り組みを行っています。
従来の延長線上にはない新たな取り組みや、大きく変化する環境に対してスピーディーに対応するには、社員一人ひとりが「自立」「挑戦」「やり抜く」ことが重要だと考えています。
中村:私たちは日々、目の前にあるさまざまな業務をこなさなければなりません。だからといって、変化の激しい今の世の中で、ただ待っているだけの姿勢でいたら取り残されていくだけ。だからこそ一歩を踏み出すための「自立」「挑戦」は欠かせない点だと感じます。
――社員一人ひとりが自立し、挑戦して、やり抜くためには、何が必要だと考えていますか。
嶋津:会社として目指すべきは、働きやすくて、やりがいが感じられる職場環境を整えること。社員にとって必要なのは「成長する意欲」と、自分でしっかりと成果を出すという「責任感」の2つが重要だと思います。
中村:私はキレイごとに聞こえるかもしれませんが、「夢」や「情熱」も大事だなと思いますね。夢がなければ、プランは生まれないし、プランがなければ一歩を踏み出すことができず、挑戦もやり抜くこともできませんからね。
ポッカサッポロで活躍する人の特長とは?
――人事ポリシーを体現する人財、つまりポッカサッポロではどんな人が活躍しているのでしょうか。
嶋津:しっかり目標を持って、実行できる人でしょうか。目標がある人は成長意欲がとても高い。さまざまなことを貪欲に吸収していきます。資格を取ったり、学校に行ったり、本を読んだりして常に自分自身に磨きをかけることで、成果を上げ、周囲からも一目置かれリスペクトされる人が多いですね。
これまで出会った社員の中で特に印象深かったのは、自分が「なぜ?」と思ったことをすごく聞いてくれる社員ですね。もう、毎日のように質問に来るんですよ(笑)。仕事をしている中で出てきた疑問をそのままにしない。自分が理解できるまで貪欲に話を聞くことは、成長を助けると思います。もちろん、今でもその社員はポッカサッポロで活躍してくれていますよ。
中村:夢や情熱を持つだけでなく、「これをやりたい」という想いを周りに伝えることができる人は活躍していると感じますね。周囲を巻き込みながら、自分自身も成長していく。そんな若手は吸収が早いですし、成果も上げています。
ポッカサッポロは、チャレンジしたうえでの失敗であれば許される社風があり、「なんで失敗したんだ!」と追及されることもありません。だからこそ、やりたいと思うことがあれば、若手はどんどん手を挙げてチャレンジしてほしいですね。
人財を育成・支援する「インターン制度」と「社長賞」
――人事ポリシーを体現する人財の育成・支援していくためにどんな施策を行っていますか?
中村:人事ポリシーにもある「挑戦」ができる風土や文化を作っていくのが、我々人事の役割の一つだと考えています。例えば、昨年行われた新しい施策で言うと、「社内インターン」や「海外インターン」が挙げられます。
社内インターンは、他部署の仕事を期間限定で体験することができる施策です。他部署の仕事を理解することができれば、今の仕事にも活かされるだろうという考えでスタートしました。
海外インターンは、今後ポッカサッポロが海外に打って出るときに活躍できる人財を育成したいと考え、企画しました。具体的には、3カ月間シンガポールに滞在しながら、関係会社で業務を経験してもらうという施策です。
――これらの施策を行ったうえで、どんなメリットがありましたか。
中村:社内インターンは、他部署で働いてみることで理解が深まることですね。社員一人ひとりのキャリアにとって財産になる取り組みだなと思います。
社内インターンの参加者だけでなく、受け入れ部署からも「インターンを受け入れて良かった」という声が挙がりました。仕事を教えることで自分たちの業務が整理されますし、自部署の業務目的や意義などを振り返るきっかけにもなるからでしょう。
嶋津:社内インターンで体験したことによって、部門同士で連携して仕事を進められるというメリットを感じたという声や、自分に足りないスキルが分かったという声もありました。そういう気づきが得られるこれらの取り組みは、良い施策だなと思いますね。
中村:社内インターンは社員の応募も多いですからね。今後も継続して実施するので、ぜひ成長のきっかけにしてほしいです。
――他にも「社長賞」という取り組みもあると聞きました。
嶋津:社長賞は、2013年にポッカサッポロという会社ができた年から実施しており、挑戦した社員を評価するという考えを具体化した取り組みです。
毎年、全社で方針が発表され、その方針に基づいたテーマに沿って1年間の自分たちの業務・活動をアピールしてもらう。それらのエントリーを「難易度」「新規性」「影響度」「スピード」の4つの指標で審査します。
中村:2021年のテーマは「リスクをチャンスに変えた取り組み」「リレーションを深めたとき」「ストレッチゴールの好事例」「サステナビリティに関すること」「損益分岐点改革」の6つでした。ちなみにストレッチゴールとは結果だけでなく、それまで目標に取り組んだプロセスや姿勢を評価しようというものです。チャレンジを促進していこう、という観点ですね。
――印象に残っている社長賞を受賞した取り組みはありますか。
中村:昨年の事例なのですが、石川県「千里浜再生プロジェクト」ですね。お世話になっている石川県に恩返しをしたいという現場の想いから、加賀棒ほうじ茶の売り上げの一部を石川県の観光名所の一つである千里浜保全のために寄付をするという活動で、まさに理念を体現している取り組みだと思います。
嶋津:社長賞は最終的に社長が決めるのですが、それまでの選考は役員で行います。昨年は選考段階で私も関わっていたのですが、すごく選考が白熱していて……。役員がそれぞれ担当部門のエントリーに対する熱い想いを語るんです。おそらく担当部門の苦労がわかっている分、賞を獲ってほしいという想いなんでしょうね。社長賞を受賞した取り組みも印象に残っていますが、個人的には社長賞選考の様子が思い出に残っています(笑)。
ポッカサッポロで一緒に働きたいと思う人財とは……
――今後、お二人は人事ポリシーを体現するために、どうありたいと考えていますか。
嶋津:いつも食卓にポッカサッポロの商品があって、生活を支えることに貢献できる会社にしたい。入社当時からずっとそう考えています。今は人事という立場ですから、それを実現できる人財の採用・育成をしていきたいですね。
また、社員が働きがいを感じることができる風土を整備し、作っていくことで社員みんなが幸せになる。これも目指していきたいと考えています。
中村:新しい理念である「人と社会と向き合い未来の食のあたりまえを創造する」ためにも、お客様や社会と向き合い続け、世の中で必要とされ続ける存在でありたいです。
ポッカサッポロはこれまで、今では当たり前となっている、新しい商品やサービスを作り出してきました。今後もそれを続けていくためにも、ニーズ・新しい価値観をキャッチアップしていきたいです。おいしいのは当たり前。おいしい以上のプラスアルファな価値を提供していきたいですね。
また、先ほどの石川県「千里浜再生プロジェクト」のように、地域社会と一緒に新しい施策や商品を生み出すことも、私たちの存在意義として大切にしていきたいです。
――では、最後にお二人が「こんな人と働きたい」という人物像についても教えてください。
中村:一緒に努力して、一緒に笑って、一緒に楽しく仕事ができる人です。
嶋津:まさに先ほどお話したような「活躍できる人」と一緒に働きたいですね。学ぶ姿勢があり、自立していて責任感がある、そういう主体性のある人たちを求めています。