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群馬工場が男性育休取得率100%を達成!取得した社員が「育休を取って良かった」と強く語る理由

2022年10月に育児・介護休業法が改正され、男性も育児休業(育休)を取りやすくなりました。ポッカサッポロでも育休を取得する男性社員が続々と増えており、2023年度は全社での男性育休取得率が87.0%(*厚生労働省の基準に基づく算出)に達しています。
 
なかでも、群馬工場は、同年の男性社員の育休取得率が100%(*)。全社で比較しても非常に高い取得率を誇っており、「男性でも育休を取得するのが当たり前」という職場環境ができているといっても過言ではありません。
 
そこで今回は、2023年4月30日から約1カ月の育休を取得した群馬工場製造三課・新井淳さんに育休を取得するに至った経緯や育休取得で感じたメリット、現在の子育てライフをインタビュー。そして、同課・青柳正信課長にも、職場で男性社員の育休に対してどのように向き合っているのかについてお話を聞きました。

(写真左)群馬工場製造三課  新井淳
ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社2014年3月キャリア入社
群馬工場製造一課、二課での飲料、カップスープ製造業務を経て2019年7月に群馬工場製造三課に配属。充填工程をメインに担当。

(写真右)群馬工場製造三課課長 青柳正信
サッポロビール株式会社入社1996年4月入社。
飲料やデザート食品の技術系部署を経て、
2015年4月からポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 大豆チルド事業立上げに関わり、2020 年9月に群馬工場製造三課課長に着任。


「絶対に育休を取ったほうがいい」同僚・上司から背中を押してもらえた

――新井さんが育休を取ろうと思ったきっかけを教えてください。
新井:私たち夫婦の出産・子育てが初めてで不安が大きかったのと、帝王切開での出産でしたので妻にかなり負担がかかる状況だったということがきっかけでした。妻からも事前に「できれば育休を取ってほしい」とお願いされていたので、過去に育休を取得した同僚や上司に相談をしたんです。

――育休を取得した同僚の方からはどのようなアドバイスがありましたか。
 新井:「絶対に育休を取った方がいい」と背中を押してもらえました。私の少し前に育休を取得した、同じ課の管延強さんは特に強く勧めてくれました。やはり、子どもが生まれてすぐの1カ月は夫婦ともども子育てが全く分からない状態。そんな中で奥さんに任せっきりにしてしまうと精神的にはかなりキツいよ、と念押しされました。上司の青柳さんからも快く「仕事のことは気にしなくて大丈夫だよ」という言葉をいただいたので、心置きなく育休申請することができました。
 
実は、同じ部署で育休を取るのが私で5人目なんです。だから、女性も男性も子育ての先輩が多いのは心強いですね。特に、製造三課では、皆さんフランクで話しやすい人が多いので、今もいろいろなアドバイスがいただけて助かっています。

同じ課の管さん(左)とは、子育ての話をすることも多いそう

――皆さんに背中を押されて育休を取得されることになりましたが、育休に入る前に不安などはなかったのでしょうか。
 新井:全く無かったと言えばウソになります。やっぱり1カ月も仕事を抜けてしまうので、周りのメンバーに迷惑がかかるんじゃないか、と思いました。でも、みんなに背中を押してもらえましたから、その点は安心でした。また、一人がさまざまな業務に対応できる“多能工化”も職場内で進んでいるので、自分が抜けても工場のラインを止めることなく回せる状態だと分かっていたことも大きかったですね。
 
育休中、念のためパソコンを家に持ち帰っていたのですが、メールを何回か確認するくらいで、ほとんど使うことはありませんでした。育児や家事に集中できたと思います。

育休の1カ月で育児の大変さを妻と共有できた

――新井さんは育休を取る前と後で気持ちの変化などありましたか。
新井:育休取得前は「あぁ、こんな制度あるんだなぁ」くらいの認識でした。いざ取得してみると、1カ月は怒涛のように過ぎていきましたね。大変でしたけど、育児に参加できたのは本当に良かったです。

――特に大変だったのはどんなことでしたか。
 新井:育児そのものが手探りの状態だったので、オムツも抱っこも、全てが大変でした。中でも大変だったのは、やはり子どもの夜泣きですね。2、3時間ごとに、泣いては起きてを繰り返していましたから。しかも、何で泣いているのかが全然わからないから、しんどかったです(笑)。
 
でも、育休を使わなければ、子どもとじっくり向き合う時間、親子水入らずの時間も取れなかったと思います。改めて、育休を取って良かったな、と思いましたね。

育休中にお子さんにミルクをあげる新井さん

――育休中に何か学びになったことはありましたか。
新井:子育てに関することはひと通り学べたので、妻に任せっぱなしではなく、自分も率先して育児に参加できるようになりました。
 
妻と育児の大変さを共有できたことも大きかったかもしれません。普段、自分が仕事をしているくらい、いや、それ以上に子育ては大変なんだな、と痛感しました。だからこそ、妻と話し合って、昼は妻が、夜は私がメインで子どもを見て、共倒れにならないようにしようと実践していました。今後も妻の負担を少しでも軽減していけたらいいなと思います。

「工場勤務でも休める」という環境にするべく“多能工化”を推進

――上司である青柳さんは、新井さんから育休取得の話を聞いたとき、どのように思われましたか。
青柳:率直に「ぜひ育休を取ってもらいたいな」と思いました。この群馬工場 第二工場は2019年に完成したばかりで、社員も中途採用が多いせいか、出産・子育てというライフステージを迎える方が少なくないんです。そのためメンバーの協力し合うという経験値も含めて前例があるので、今回もどうやって現場を回してスムーズに育休に入ってもらえるのかを考えていくだけでしたね。

――ただ、工場勤務の場合、他の職種のように在宅で仕事するという働き方は難しいですから、社員が抜けてしまうと厳しいのではないでしょうか。

青柳:おっしゃる通りです。製造業の工場は必ず現場に出てきてもらわないといけません。とはいえ、「工場だから育休が取れない」ということにさせたくはない。工場でも休みが取れるようにしたいじゃないですか。ポッカサッポロは男女関わらず、育児休業が取れる素晴らしい制度のある会社ですから。だからこそ、育休に限らず社員が休みを取りやすい体制を整えてきました。

体制作りを始めたのは、この工場が稼働してすぐコロナ禍に入ったのがきっかけです。社員が急に体調を崩して病欠することがあっても、工場ですから生産を止めることはできません。だからこそ、社員が休めるような体制づくりが必要でした。そのために多能工化を進めたのです。
 
私が群馬工場に異動してきたばかりの頃は、「ここのセクションは私」というように業務が属人化していました。しかし、それでは、その人が抜けてしまうと人員の補充が難しくなってしまう。ただ、今では多能工化が進んだので、ある程度は人が休みで抜けてしまっても、皆で助けられる体制が整ってきたと思います。人が足りなくて工場が稼働できない、という心配はほとんど無くなりました。

――コロナ禍に応じた体制づくりが育休取得時の体制にもつながっているということですね。
青柳:他にも生産のスタート時間を調整するなど、製造計画を工夫することで社員に負担がかからないようにしています。ただ、病欠や育休が重なってしまうと、一部のメンバーに負担がかかってしまう事態が起こりうる。そこにも対応できるよう、さらに体制を整えていきたいですね。

パートナーや子どもとの関係が充実すると、安心して働くことができる

――青柳さん自身もお子さんがいらっしゃるそうですが、当時を振り返ってみて改めて男性の育休取得についてどのように思われますか。

青柳:当時は有給のような形で出産休日を取ることはできましたが、まとまった休暇を取ることはできませんでしたね。ただ、子どもを育ててみると、本当に子どもの成長は早くてあっという間なので、もっと関わる時間を作れたら良かったと思うこともあります。後から後悔してもこの“子育てという瞬間”の時間は取り戻せないですからね。
 
今は共働きの家庭も増えていますし、お父さん、お母さんが一緒に子育てすることが大事です。子育てだけじゃなく、家事も共有して一緒にやっていく。そのチャンスが育児休業にはあると思うので、有効活用してもらいたいです。
 
ただ、できれば男性社員も3カ月くらい育休取得できるようになるといいですよね。1カ月くらいだとまだ子どもの首は座っていないですし、パートナーの負担を軽減するためにも少なくとも3カ月くらいはあった方が良いのかなと思います。もちろん、上司の立場としては、その期間でも現場が回るように考えていかなければいけませんけどね。

――群馬工場は2023年度の育休取得率が100%と、全社の中でも高い水準を誇っています。今後も群馬工場あるいは全社で、多くの男性社員に育休を取ってもらうにはどうしていくべきだと思いますか。

 青柳:職場の育休を取得しやすい体制を整えるのはもちろんですが、まずは休暇を取りやすい雰囲気をつくることも大切かなと思います。
 
例えば、今年の群馬工場は昨年よりも年次有給休暇取得率が上がってきているんです。仕事だけではなく、休暇を取ってプライベートを充実させるためにも時間を使えるようになっていければ、その取得期間が長くなる育休も取りやすくなると思います。まだまだ道半ばですが、プライベートが充実できるような働きかけをこれからもしていきたいですね
 
――育休を検討している男性社員の皆さんへのメッセージをお願いします。

 新井:ポッカサッポロは育休が取りやすい環境だと思うので、ぜひお子さんと一緒にいる時間を作ってあげてほしいです。パートナーと一緒に子育ての大変さを共有することで家族の絆が深まると思います

もし、育休が取りにくいという方も、まず上司に話してみてはいかがでしょうか。なかなか言い出しにくいかもしれませんが、自分から発信しないと絶対に取れません。パートナーや生まれてくる我が子のためにも、勇気を出して相談してみてください。

青柳:あまり偉そうなことは言えませんが、会社にとって最大の財産は人財です。プライベートが充実しているからこそ、何の憂いもなく安心して働くことができるんです。
 
そして、プライベートの核となるのは家族です。パートナーや子どもとの関係がうまくいくことがプライベートの充実だけでなく、働きがいにもつながります。だからこそ、男性であっても遠慮せず、ぜひ育休を取ってほしいですね。


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